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吉岡容子ライフインタビュー

「大切なのは覚悟」開業医・吉岡容子先生の動き続ける生き方

皮膚科・美容皮膚科医として忙しい毎日を送る吉岡容子先生。プライベートでは小学生の娘を育てる母でもある。「ぼーっとしている時間がない」という吉岡先生のアクティブな毎日と、前向きに目標を実現するための考え方について聞きました。

 Profile

吉岡 容子(よしおか・ようこ)

医療法人容紘会高梨医院副院長  皮膚科・美容皮膚科医師

東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院 皮膚科・美容皮膚科を開設。

高梨医院 皮膚科・美容皮膚科
https://www.takanashi-hp.com/hifuka/

パートナーは「つらい時にSOSを出せる相手」

吉岡さんは開業医、夫は泌尿器科医として病院や大学で働いている。職業柄、家庭より患者を優先すべき場面も少なくない医師同士。円満な関係を築くコツは「要望は口に出すこと」。お互いに協力できることは力を合わせ、難しい場合は割り切って対処を考える。

「相手にして欲しいことがあれば具体的にお願いすることを心がけています。『こうしてくれるだろう』と期待すると、応えてくれなかったら勝手にガッカリしてしまいますよね。気持ちや希望は伝えないとわからないのに」

夫が家事や育児をしないというのは、どこの家庭でも聞かれる不満。だが、気づいて欲しいと我慢するのではなく動いてもらうように働きかけるのが吉岡さんのやり方だ。

「オムツを変えてくださいとか、お風呂掃除してくださいとか希望を伝えます。男性って仕事として与えるときちんとこなしてくれるんですよね」

吉岡さんが娘を出産したのは32歳の時。民間病院で働きながら、医局の助教というポジションにも就いていた。医師として経験を積みスキルを高める時期と、ライフイベントは重なりがちだ。どちらを選ぶか、どう両立すべきか悩む医師は多い。

吉岡さんの場合、ここでも前向きに現状を捉える考え方が見える。

「厳しく聞こえると思いますが、仕事をしながら子どもを持つと決めた時点で、女性は覚悟が必要だと思います。忙しい仕事に育児が加わって、つらいのは当然ですよね。つらい状況になることは覚悟した上で、夫とはつらい時につらいと言える関係を築くことが大切だと考えています。パートナーはお互いの夢に乗っかる気持ちで、応援しあえる存在であれば、うまくいくのではないでしょうか」

美容皮膚科は人を笑顔にする医療

大学病院、勤務医、開業。働き方ややりがいはどう変わっていったのか聞いてみた。

「こうして開業していますが、大学で医学を続けることにも心残りは少しあります。研究や後輩の教育も好きでしたので。もっと論文を書いたりもしたかった。臨床と研究の両方ができるのは大学病院の醍醐味だと思います。大きなビジョンを持って勉強するなら、大学は素晴らしい場所です」

麻酔科医は命の危機が迫っている患者さんを担当することが多い。オペに入る場合など患者さんと会話を交わすこともできない。目立つことはないが、縁の下の力持ちとして必要不可欠な存在である。

「麻酔科医が提供するのは、悪い状態を少しでもよくするための医療です。美容皮膚科は患者さんは元気で、より幸せにする医療だと思います。人生を豊かにするサポートができることは今の仕事の魅力の1つです」

大学病院の麻酔科を辞めた後、大学病院やクリニックで皮膚科の経験を積み、2016年に実家である高梨医院の2階で開業。数年のうちには3代目院長に就任予定だ。

「皮膚科に転向して基礎知識が身につき、アウトプットしていきたいと思いはじめたタイミングで実家を継ぐことを決めました。父はずっといつ継ぐんだと言っていたので喜んでいたと思います」

病院の上が実家という環境で、浦和は生まれ育った街ではあるが、19歳から32歳まで地元を離れていたので久しぶりの帰還だったという。

「開業してよかったと思うことは、自分の望む医療を提供できる点です。患者さん一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取ることが可能になりました。人を笑顔にできる、幸せにできるのが嬉しいですね」

現在、別の場所でクリニックをオープンするべく準備中という吉岡さん。いいスタッフも集まり、計画は順調だ。

「将来的には人を雇うことも考えています。患者さんにとっては一人の医師に継続して診てもらうメリットもあるので、反応を見ながら検討したいと思っています」

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むらかみみさと

BeDo編集長
ライター、エディトリアル・ディレクター
慶應義塾大学在学中からインタビューや取材活動をおこなう。複数の組織で文字を通したPR、プロモーション、コミュニケーションに従事。

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