Profile
秋田護(あきた・まもる)
ウィクリニック 銀座院院長・整形外科医
2007年日本大学医学部卒業。大学病院、関連病院勤務を経てNGOに参加、ラオスやカンボジアを中心に途上国で医療支援活動をおこなう。複数の医療法人、クリニック勤務を経てウィクリニック銀座院院長に就任。日本整形外科学会専門医、博士(医学)
好奇心と行動力が未来を拓く
イベントやパーティーなど、人が集まる企画をおこなうのが好きだという秋田さん。この夏に、クリニック近くのビルに小さなバーをオープンした。銀座で長く営業していたクラブを居抜きした、15人程度で満席になるアットホームな空間である。
「時節柄もありますが、大々的に宣伝はせずに営業するつもりです。誰でもウェルカムというわけではなく、自分が尊敬している人や信頼している人が紹介してくれた『いい人』と出会える場になればと考えています」
大学病院、東南アジアでのNGO医療活動を経て、美容医療クリニックの院長を務める秋田さんは、好奇心と行動力が重要だと考えている。
「同じことを繰り返す毎日に魅力を感じないですね。整形外科を選んだ理由も、治療に多様性や発展性があるからです。外傷やがん治療、内科のようなことまで幅広いジャンルを手がけられます。今の医療は標準化が進んでいますが、整形外科はまだまだ医師の裁量が大きい診療科です。オペの方法も多岐に渡ります。患者さんの年齢や生活強度によっても最適な治療が異なるので、ルーティンではない、手探りでより良いアプローチを見つける点が面白いなと思いました」
専門医と博士号を取得した後に海外へ出たのは、日本がダメになっても生きていける価値を手に入れたかっただという。医療レベルだけでなく、社会構造も違う国へ行こうとラオス、カンボジアへ向かった。
「NGOで参加する医師はすべて手弁当です。数百万円自腹で参加したわけですが、1年数ヶ月の間で経験したすべてが財産です。医学的なことというより、経験や国内外の人脈ですね。途上国から日本に帰ってきたら、むしろ日本のほうが幸せじゃないなと感じました。社会に閉塞感があり人が幸せそうに見えない。海外の大学で学ぶなど選択肢もありましたが、日本で活動してみようと、医療を軸にビジネスの手伝いもしていました」
経営者の両親のもとに生まれた秋田さんは、大学時代からマーケティングを手伝うなどビジネスへの関心・経験があった。ビジネスの立ち上げやクリニック経営のサポートなども経験している。
「これからも事業や投資もおこなっていきますが、現場から離れる気持ちはないです。医者は患者さんから直接感謝を受けることができ、社会への貢献性も高い職業なのでやりがいはあります」