代表的な節税種類
節税には、
①お金を使う節税 ②お金を使わない節税 ③税金が安くなる節税 ④税金を繰り延べる節税
の4つがあります。
③と④については、医療法人を経営している方はしっかり理解したほうが良い区分ですが、個人の勤務医の方は無視していただいて大丈夫です。
今回は①と②を重点的に紹介します。
そもそも③の税金が安くなる節税って表現は、当たり前ですが。
①お金を使う節税は優先度を下げておこなう
節税には、①お金を支払って税金が安くなるものと、②お金を支払わなくても手続きをおこなうだけ、つまり知ってるだけで出来る節税があります。
もちろん積極的におすすめするのは②の節税となります。
節税のために無駄な支出を増やしてしまっては本末転倒です。
①お金を使う節税については、支払う金額と上記で確認した「自分の適用税率」を確認してリターンの大小から判断しましょう。
まず、「①お金を使う節税」の具体例を紹介します。
生命保険料控除、地震保険料控除
国民が国や自治体の社会保障や福祉に頼らず、自ら保険料を負担して自助努力をしている人を国が支援し、広めていくことを趣旨とした制度です。
これは支払った保険料に応じて税金が安くなる制度なので、適用を受けるためには保険を購入する必要があります。
ここでも計算式については省略しますが、最大24万円以上の負担で12万円の所得控除が受けることが可能です。
小規模共済掛金控除
こちらも国民の社会保障や福祉にかかる負担を軽減するため、自助努力を国が支援する趣旨で設けられている制度です。
上記の生命保険料控除との大きな違いは、この制度は公共性の高い小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等の支払いが対象となっている点です。
その結果、税額の節税効果が高めなのでおすすめです。
たとえば掛金を24万円支払った場合、24万円の所得控除が受けられます。
よって保険料控除の効果は2倍以上。
節税の区分としては①お金を使う節税に該当しますが、効果は高めであることが理解できるかなと思います。
その他
住宅ローン控除等制度の節税その他もろもろございますが、キリがないのでこの辺で切り上げますが基準となる考え方はどれも同じです。
②お金を使わない節税の詳細
それでは、医師のみなさんが実践できる「お金を使わない節税」について詳しく見ていきましょう。
ふるさと納税(寄付金控除)
ふるさと納税は、地方に寄付をし、確定申告をすることにより税金が戻される制度です。
すでにおこなっている方も少なくないかもしれませんね。
お金の支払いがあるので①に区分されそうですが、負担額は2,000円のみとなり性質的には②です。
数ある節税の中でもダントツ効果的です。
ふるさと納税とは、ご自身で応援したい自治体を選んで寄付できます。
ただし、この寄付ですが、「寄付」と言いながらも2,000円を超える金額は、所得税の控除と住民税の控除で戻されてきます。
ですので、純粋に寄付として負担が出るのは2,000円だけなのですが、寄付した自治体からは返礼品が送られてきます。
この返礼品が豪華なんですね。
軽く2,000円以上の返礼品が返ってきます(以前は問題となりましたが商品券とかも配られていました)。
所得の高い人ほど限度額も高くなりますので、所得の高い人ほど効果的なのでおすすめです。
限度額の計算は複雑ですのでここでは紹介しませんが、ふるさと納税のHPには必ず限度額の自動計算のページ等ありますのでそちらで確認して寄付しましょう。
寄付の手続きもAmazonで買い物するレベルに簡単ではありますが、確定申告をおこなわなければ節税とならないので注意です。
ただし、1年間で寄付先が5か所以内の場合は「ワンストップ制度」が使えます。
確定申告をせず節税のメリットを享受することができるおすすめの方法です。
寄付先から送られてくる申請書及び、本人証明書類を寄付先に提出しましょう。
特定支出控除
サラリーマンが特定の支出をした場合、経費のように給与所得から控除することが認められる制度です。
こちらも支払いがあるので、「①お金を使う節税」に区分されそうですが、仕事をするに際に必要となる支出は、制度の有無にかかわらず発生するものです。
手続きをすれば税金が戻ってくるものなので、性質的には②お金を使わない節税に該当します。
詳細内容はまた別の記事で具体的にご紹介いたします。
まとめ
今回は節税についてまとめてみました。
直接この節税!と導くのではなく、効果的な節税を判断するための基準やおすすめの節税方法をご案内しました。
・自分の負担税率を理解して効果的な節税を判断しよう!
・適用を受けようとする制度の特徴を理解して優先順番を間違わないようにしよう!
これが基本方針です。
節税の区分の中でも、お金を使わずに節税できるものを優先して検討しましょう。
お金を使う節税の中には、効果的なものとそうじゃないものがありましたね。
個人的には「ふるさと納税」がおすすめです。
返礼品選ぶの楽しいですしね。