仕事と子育てどちらも夫婦二人三脚
父が三代目を務めた『尾泉医院』を継ぐ際に、『つちやファミリークリニック』に改称。夫の土屋晶義医師が院長として、内科・小児科を。土屋さんは皮膚科を担当する。お互いの専門を活かしたクリニック運営と並行して家事や子育ても夫と分業制だ。
自分の感覚を信じて突き進んでいく土屋さんに対して、夫は慎重派。石橋を叩いて叩いて渡る真逆のタイプだが、だからこそ補い合える部分も大きい。
「子どもが2人いるので、送り迎えなど分担して子育てしています。開業前、夫は大学病院の小児外科医だったので、子育ての戦力として考えることはできませんでした」
夫も不規則かつ長時間勤務が当然という働き方から、診療終了時間がくればプライベートに切り替えられるワークスタイルへ。
子どもたちはもっとも手のかかる時期は過ぎたが、塾や習い事など親の仕事は増えていく。勤務医であれ、開業医であれ、女医が仕事と子育てを両立するためには、周囲のサポートが不可欠だ。
「慣れてしまった部分もありますが、毎日の生活はハードな方だと思います」
苦労している素振りは見せないものの、共働きで手のかかる年齢の子どもがいる中では、自分のために使える時間はほとんどない。
平日は子どもたちが寝静まってからがようやく自分の時間だ。
休日も、近所の公園などに出かけたり家族で過ごすことが多いという。
「我が子であっても別の個人だと思っているので、私も夫も医者になって欲しいとは考えていません。自分の道を探してもらいたいです。いろいろな可能性があるので、私たちの役割は子どもの可能性を広げてあげることと、迷った時に背中を押してあげることだと思います。でも勉強はしておいた方がいいかな」
土屋さん自身、医師になったものの最初から父のクリニックを継ぐ気持ちがあったわけではないそうだ。
「一生人生を楽しむ」生き方を、子どもたちにもして欲しいと考えている。人生を作っていくのは子ども。親はそのサポーターだ。